20230826

 少し外に出る用事があったので、ついでになんとなく姪と近所を散歩してきました。
 田園風景の中になんとか道路があるような田舎なので、夏草のにおいがもの凄い。辺りを歩いているだけで、「緑色」と表現する他ない植物のにおいが、それはもうむっと胸の中に入ってくる感じがするわけですが、そのときマスクをしていなかったからか、その命に香りを与えたようなにおいがなんだか妙に懐かしく思えました。

 仕事に没頭して家に籠っているのも好きだけれど、同時にいろんなものを忘れていくなあとも感じるので、作ることは自分の中の何かを消費したり燃やすことなのだなと思う。
 家でヘッドフォンを外すと、外でツクツクボウシが鳴いている声がする。外に出ると、青空の低いところからどっしりとした白い雲が、太陽に向かって積み上がっている。風のない、信じられないほどの暑さが道の端から端までに降り注ぐ。伸び放題の植物と、一週間で死んでいくセミたち。鮮やかで猛々しい、それでいてどこか不安定さもある夏の色やにおいが好きだ。好きだけど、少しの嫌悪感もある夏のにおいは不思議だな。
 夕空の写真を撮っていたら、近所の運送屋さんのおじちゃんが、「高架下を少し行った先でもっと良い写真が撮れるよ」と教えてくれた。今日は暑くて帰ることにした(体力がなさすぎる!)けど、また来週にでも見に行けたらいいな。